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Channel: 山羊さんの備忘録
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昨晩は危篤状態だったが…

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肝硬変
肝硬変という病気を治すクスリは、ない!
強いて言えば、「強ミノシー」というクスリがあるが特効薬ではない。
昔、「グルタチオンが効く!」と言われた時期があったが、医者のカネ儲けだけには良く効くクスリだった猫~ (爆)
肝臓病には甘草(かんぞう)が効く! というのも駄洒落でしかない。
とまれ、肝硬変という病気は致命的な病気であるが、これを治せる医者は日本にはいない。

「重篤な肝硬変です。大きな食道静脈瘤もあり、余命は1ヶ月しかありません!」と東京女子医大病院で強く宣告され…、このオドシによるショックでヨレヨレになった43歳の男性が、3日前の火曜日に東京から志布志まで来た…。
追い返すわけにも行かず…、鷲は、病歴などの事情を聞いた。
腹水がたまっているのか、腹は膨れているし、顔はドス黒かった。強い倦怠感でヘトヘトの感じだった。
これは、東京女子医大の女医さんの見立てのとおり、重度の肝硬変かも知れない…と、鷲は(一瞬だが)思った。
しかし、
食欲はあるし、黄疸は全くないし、胸部や腹部の発疹も軽症だ。
「肝硬変だとしても初期で、きわめて軽症だわ!」
と、鷲は明るい口調で笑いとばした。
これだけで、43歳の表情は明るくなった。
その夜、43歳は安心したのか、爆睡したという。
次の日、43歳は明るい表情で近所のホテルから鷲の宿舎に歩いてきた。
脈をとると力強い心拍だが、身体が冷えていたので、遠赤外線の温熱マットに寝せて身体を温めてあげた。
そうしたら大量の発汗現象があって、43歳は益々元気になったので、散歩に誘った。爽快なウオーキングだった。
ところが!である。
その夜、43歳は突然の悪寒と発熱。そして強い嘔吐感と嘔吐。体温を計ると39.2℃。水分をとっても発汗はゼロ。ポカリを飲ませたが全く発汗しない。呼吸が荒くなって、頻脈になって…、「死にそうです」と言う声は、本当に死んでしまいそうな感じだ。
「これは救急車を呼ぶような事態だが、どうする?」
と鷲が言うと、
「病院は恐いので、もう少し様子を見ます!」という返事。
この救急車を呼ぶような危篤状態が、じつは、20時間近くも続いたのだが、鷲は冷静に見守り続けた…。
43歳の青年が死を賭けて闘病する様は、鬼気迫るような凄まじさだった。
「救急車を呼ぶ事態だぞ」 と強く告げようとした瞬間! 爆発するような発汗の噴出現象が始まった。
ベッドのマットレスに浸透した汗水が、ベッドの下部から滴って床を流れるほどで、まさしく汗水の滝だった。
途中から「観戦」と「応援」に加わった熊本の親友(民間人)は、
これは助かる! 体質も変わる!
と、43歳を励ましていた。
そーこーするうちに朝が来た。
汗水の滝のなかで爆睡した43歳。この闘士の顔からはドス黒さが消え、腹部の膨満も消え…、目は別人のように輝きはじめていた!
43歳は…、昨日までの43歳ではなくて、まごうかたなく全くの別人(別のヒト)になっていた。
「こんな“向こう見ずな闘病法”もある!」 と言うと、医者は非難するだろうが、43歳はケロリとして、
「私のイノチは病院には預けません!私の病気は自力で治します!」
と言い返すだろう。
きょうは43歳が志布志に来て4日目だが、別人のように元気になった彼を鷲は夕食に誘った。
志布志で最も美味く、最高に豪華な『ハモとシラスとウニの三昧丼』を43歳はペロリと平らげた。
「ご馳走さまでした!」
と言う43歳の元気な発声には、生命力があふれていた。

百人一首(第22回)69〜71番歌

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紅葉0804


和歌は、詠む人も、読む人も、どちらも「よむ」と発音します。
他の言い方はありません。
どちらも「よむ」です。
はじめから詠み手も読み手も一体なのです。だから漢字で書いたら字が違うけれど、訓読みしたらどちらも「よむ」なのです。

一体ということは、楽しいことです。
というのは、詠み手が詠み込んだ歌意を知るには、読み手はその域に追いつかなければならないからです。
対等になるには、どちらかが劣っていたとき、対等になるために上にある者は下に降り、下にある者は上に上らなければなりません。

和歌では、詠み手はその歌意の説明をしてくれませんから、読む側が努力してその歌意に追いつかなければならないのです。そして追いついたとき、そこにものすごい感動がある。それはいってみればジグソーパズルが完成したときの感動や興奮に似ているのかもしれません。

和歌を詠む側は、自分のいちばん言いたいことをあえて付せて、上の句と下の句を使って、その言いたいことを読み手にわかってもらえるように趣向を凝らします。
読み手は、歌に置かれた手がかりをもとに、詠み手が真に伝えたかった思いを察しようと、あれこれ考えをめぐらせます。

そこに洞察力がはたらき、相手の心を気遣ったり、相手の心を読んだり、あるいは相手に対する思いやりの心を養ったり、あるいは東京オリンピック誘致のときに話題になった日本人ならではの「おもてなし」の心が養われます。
だからこそ和歌は「あらゆる日本文化の原点」と言われているのです。
この百人一首のご紹介では、ときにあまりにも甚だしいものについては、従来の解釈について、「間違っている」といった解説の表現をさせていただいていますが、これは、いささか誤解を生む表現です。

和歌をどのように読んだとしても、それは間違いではないからです。
ですから上の句、下の句に書かれていることを、まさに「額面通り」に読んで、それでわかったつもりになるという読み方も、もちろん、ありです。
ただ、それでは「踏み込みが浅い」というだけのことです。

上っ面だけを見てわかったような気になることを、古来、私たちの先人たちは「踏み込みが浅い」、あるいはもっと短縮して「浅い」と言いました。
たとえば剣道では、踏み込みが浅ければ、相手に竹刀を撃ち込んでも、その竹刀は相手に当たりません。
あるいは当たったとしても、撃ち込みが浅ければ、一本はとれません。

たとえば、上段から相手を面打ちしたとしても、踏み込みが浅ければ相手に当たらない(あたりまえです)し、撃ち込む力が弱ければ、たとえ面に当たったとしても、審判は一本はくれません。
和歌もこれと同じで、それぞれの歌を鑑賞しようとするとき、読み込みが浅ければ、文字面を追うだけで、その詠み手の真意はまるでわからないし、詠み手の真意を理解しようとしなければ、和歌はこれほど退屈でつまらないものはなくなってしまうのです。

これがさらに百人一首になると、単にひとつひとつの歌が、どのような真意に基づくかをだけではなくて、どうしてその歌人の数ある歌のなかから、百人一首の選者である藤原定家がその歌を選んだのか、という視点が加わります。
百人一首は、歌を詠んだ歌人の思いだけでなく、そこに、選者の藤原定家の思いが重なるわけです。
ですから、百人一首の解釈は、三重の意味で面白くなります。

たとえば、以前ご紹介した57番の紫式部です。
彼女の歌に書かれていることは、「幼い頃からの友達が尋ねてきたけど、すぐに帰ってしまいましたわ」というだけです。

ところが、この歌をよく見ると、実はその友達は昼間に尋ねてきて夜半に帰った、つまり物理的時間としては半日もしくはそれ以上の長い時間、紫式部の家にいたことがわかります。それを紫式部は心理的時間としては「一瞬のこと」にしか感じられなかったと詠んだわけです。
しかも「めぐる」と「月」を歌に挿入することで、地方に転勤する友に、「元気でまた都に帰っておいでよ」とエールを送っていることがわかります。

そしてこの歌を、百人一首の歌の順番からひも解いていくと、なぜ藤原定家が紫式部が生涯に詠んだたくさんの歌の中からこの歌を選んだかというと、前の歌との並びから、「この歌から紫式部の生きた人間のドラマを把握してくださいね」と定家がひも解いてくれていることがわかります。
そしてそのことから、天才女流作家である紫式部が、実はどちらかというと友達の少ない孤独な女性であり、少ない交友関係の中で、その数少ない友達をとても大切にしながら生きた紫式部の孤独感や性格などまでが見えてくるわけです。

つまり、歌の表面的な意味、隠された意味、そして定家の意図、この三つを読むことで、歌が三段仕込みの深みを私たちにもたらしてくれるわけです。
そして、その歌心の深みに触れたとき、まさに百人一首は、私たちをおもわず夢中にさせてしまう凄みと感動を、私たちに与えてくれるわけです。

69番 能因法師(のういんほうし)

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政争さえも錦のような
69番 能因法師(のういんほうし)

嵐吹く三室の山のもみぢ葉は
竜田の川の錦なりけり


あらしふく
みむろのやまの
もみちはは
たつたのかはの
にしきなりけり
===========

(現代語訳)
山の嵐に吹かれる三室山の紅葉は、風に吹かれて、山のふもとにある竜田川の川面をまるで錦のように飾っていますね。

(ことば)
【三室の山】奈良県生駒郡斑鳩町の神奈備山(かむなびやま)のことです。「三諸山(みもろのやま)」と書かれることもあります。紅葉の名所です。
【竜田の川】三室山ふもとにある川で、大和川の支流です。

(作者)
能因法師(のういんほうし)は、近江守だった橘忠望の子で、平安時代の大学である大学寮で、和漢の学問と算術を習い、その大学寮で、特に優秀な生徒だけが選ばれる文章博士となった大秀才です。
ところが何を思ったか、大学寮を卒業して間もない26歳で出家して僧侶になってしまう。
それも僧としての栄達を望まず、全国を行脚する漂泊の歌人となって人生を終えた人です。

(歌意)
書かれていることは、紅葉の名所として知られる三室山のもみじが、風に吹き寄せられてふもとの竜田川の川面に浮かび、その様子がまるで川面が錦に飾られているようだ、というものです。

似た歌に、17番の在原業平の「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」という名調子の歌があります。
百人一首の中に似たような歌意の歌が他にあり、能因法師は歌人として他にたくさんの歌を詠んでいるのに、ではなぜ、この歌が69番歌に選ばれているのか、ちょっと不思議です。

そんなに紅葉がキニナルのでしょうか。
違うと思います。

むしろこの歌が、68番歌の三条院の歌の次にきているところに、この歌を読み解くヒントがあると思います。
三条院は、政界のドロドロの中にあって、眼が見えなくなってまでもシラス統治を目指して戦い抜かれた天皇です。
ところが政治権力に押されて、退位を余儀なくされてしまう。
そこで詠んだ歌が、「心なくも退位するけれど、いにしえから続く我が国の道は、月がめぐるように、再び世を照らすであろう」という歌でした。
そしてその次に来ているのが、この能因法師なわけです。

ここでキーワードとなっているのが、「三室山」です。
「三室山」は、生駒の龍田大社の背後にある山で、「みもろ」には、神が降臨する山という意があります。
龍田大社に祀られているのは風の神であり、悪風を防ぐとともに、荒雨を防ぎ、国家を鎮める神様です。

つまり、歌にある「嵐吹く」の嵐は、ここでは国家の政乱を意味しているとわかります。
そしてその嵐は、「嵐吹く三室の山」で、三室の山が神様の降臨される山なら、神々の政乱、つまり天子様に関する政乱を意味していると読み解くことができます。
この歌単独でも、嵐と三室山で、そこまでたどり着ける方もおいでかもしれませんが、百人一首は、歌の順番などを利用することで、読む人がそこにたどり着きやすくなるように、手がかりを与えてくれているわけです。

そして下の句では、そうした政争や政乱でさえも、我が国(竜田の川)は、「錦(にしき)にしてしまう」と詠んでいます。
「錦」というのは、金糸銀糸など様々な色の糸を用いて、華麗豪華に仕立てた絹織物です。
その豪華さから、紅葉が錦にたとえられますが、同時に錦は朝廷をあらわす言葉でもあるわけです。

つまり、神々が降臨する三室山は、そのまま朝廷であり、その朝廷に風が吹いて嵐が起きている。つまり政乱が起きている。けれども、そうした政乱でさえも、我が国ではまさに絢爛豪華な錦と同じように、我が国の歴史伝統を飾るものである、とこの歌は詠んでいるわけです。

能因法師は、とびきりの秀才でありながら出家して全国行脚の托鉢僧になって諸国を巡っていたわけですが、それでも、もともと家柄も正しいし、素晴らしい歌人でもあったことから、宮中の歌会に呼ばれ、招かれています。

この歌は、能因法師が62歳のとき(永承4(1049)年11月9日の、後冷泉院ご主催の後京極殿での歌会のときに出品された歌です。
歌会については、なんどかご案内しましたので、覚えておいでの方も多いかと思いますが、いまで言ったら、ひとむかし前の歳末の紅白歌合戦みたいなもので、宮中で開かれ、あらかじめ定められたテーマに基づいて、歌人たちが1対1でそれぞれ和歌で対決する催しです。

能因法師のこの歌は、そのときの四番「紅葉」のお題で、藤原祐家の歌と対決したときのもので、このとき藤原祐家は、
 散りまがふ嵐の山のもみぢ葉は
 ふもとの里の秋にざりける
と歌を詠みました。
「山の紅葉が風に吹かれて、ふもとの里にまで降ってくる。ああ秋だなあ」という歌で、これはこれで風情のある良い歌といえます。

これに対し能因法師は、
 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は
 竜田の川の錦なりけり
と、一見すると川面に浮かぶ秋の紅葉の美しさを詠っているようでいて、その実、「神々の降臨する三室山に嵐が吹く」と朝廷内の政争を連想させ、それでいて下の句で「そういう政争さえも本朝では、まるで錦のようですね」と詠んだわけです。
歌の深み、踏み込みの深さが、こうなると藤原祐家の、ただ紅葉の美しさを詠んだ歌とは、歌の重みと深さが段違いです。
ですから、当然のように、この歌会では能因法師が勝利しています。

「政争が錦のようだ」というのは、ある意味、不思議に感じられるかもしれません。
けれど、三条院と藤原道長の争いにみられるように、それは当事者となっている方々にとっては、まさに戦いそのものといえるものではあるのですけれど、一歩、眼を海外に向けてみれば、中世におけす王室内の争いというのは、ヨーロッパにせよ、支那にせよ、まさに血で血を洗う凄まじいものであったわけです。
政争に敗れれば、一族郎党は皆殺しに遭うし、後宮内の女性同士の争いにしても、たとえば清朝末期の西太后は、皇帝の寵愛を得るために、皇帝が寵愛したライバルの女性の両手両足を切断し、肥桶に首だけ出して生かしておくなど、およそ人間業とは思えないほどの残酷な仕打ちをしています。

そしてそうした政争は、なんと現代社会においても、世界ではあたりまえのように起こっています。
たとえばウクライナは、独立後のウクライナが親ロシア路線でいくのか、完全独立を望むのかで国が二つに割れ、当事者同士の武力衝突が起こっているのみならず、まったく関係のない余所の国の旅客機までミサイルで撃墜されるという悲惨が起きています。

そうした諸外国の争いと比べると、我が国の政争が、いかに穏やかなものか。
まさにここまでくると、もはや政争でさえも優美とさえいえるものです。
実際、68番の三条院は、そんな政争について
 心にもあらで憂き夜に長らへば
 恋しかるべき夜半の月かな
と詠みましたが、政争を「憂き」と詠んでいながら、同時に「恋しかるべき夜半の月」と、実に優雅に心情を吐露しておいでです。

施政者が、何百人、あるいは何百万人もの民が犠牲になっても何とも思わず、ただ己の欲望のために政争を仕掛け、人々を殺し、奪う。そういう政治は、施政者も民も、ともに民度が低いところに生じます。
けれど、当事者双方がどちらも教養が高く、同じ理想を共有し、ともにより豊かで安全で安心な国つくりを希求して争うものであるならば、政治的な意見の対立も、決して感情的な暴走とならず、無駄な殺し合いも防げます。
日本は太古の昔からそういう国を目指してきたし、またそういう国柄こそを「国風文化」として確立してきたわけです。
その素晴らしさを、能因法師は、紅葉を愛でる歌に込めたわけです。

実に含蓄に富んだ、素晴らしい歌だと思います。

70番歌 良暹法師(りょうせんほうし)

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ボクらはみんな生きている
70番歌 良暹法師(りょうせんほうし)

寂しさに宿を立ち出でてながむれば
いづくも同じ秋の夕暮れ


さひしさに
やとをたちいてて
なかむれは
いつくもおなし
あきのゆふくれ
============

この歌はとっても有名な歌で、「いづくも同じ秋の夕暮れ」は、みなさまも何かの折りに、口ずさんだことがあるのではないでしょうか。

(現代語訳)
あまりにさみしいので、家から出てあたりを眺めてみたら、どこも同じさみしい秋の夕暮れだったよ。

(ことば)
【宿】この時代、宿は旅館のことではなくて、自分の住む粗末な庵のことを、そう呼びました。

(作者)
詳しい経歴は不明で、比叡山延暦寺の僧侶で、晩年は比叡山を出て京都・大原の雲林院に住み、65歳で没したと言われています。
歌会にも何度も呼ばれた僧侶ですので、そうとうの教養人でした。

(歌意)
比叡山延暦寺というのは、この時代にはたくさんの無骨な僧兵を抱え、また全国から仏教を学びたいとする僧侶が集まって研鑽に励んでいたところで、常に大勢の人のいる、ある意味たいへんに賑やかなところでした。

そんな延暦寺で晩年までずっと修行を積まれた良暹法師(りょうせんほうし)は、いってみれば人の大勢いる大企業のオフィスか、大忙しで大繁盛している大手流通の幹部社員みたいなもので、毎日、朝早くから夜遅くまで、毎日が気張りっぱなしの、慌ただしい毎日を送ってきた人であったわけです。

そういう環境のもとでは、人が望むのは、晴耕雨読の平穏な毎日です。
いつかは、人里離れた田舎に草庵をいとなみ、自給自足で構わないから、そこで静かに暮らしたい。
そんな希望を誰もが抱いたりするものです。
今風にちょっとかっこ良く言えば、忙しく働き、富を得て、南の島のビーチリゾートで、毎日釣りでもしながら、優雅に暮らしたいという理想というか、夢みたいなものかもしれません。

幸いなことに良暹法師(りょうせんほうし)は、歳をとって延暦寺を引退したあと、まさにこれを実現するわけです。
良暹法師が草庵をいとなんだ京都の北にある大原は、「京都大原三千院」で有名なところですが、人の往来の少ない、山に囲まれた静かな山里です。
いまでもそうなのですから、千年前には、もっと静かなところであったろうと思います。

この歌は、出典となった詞花集には詞書があって、そこには「大原にすみはじめけるころ」とあります。
つまり、まさに良暹法師が、延暦寺を出て、大原の草庵にひとり棲み始めた頃の歌であるわけです。

大勢の人が常にいて、騒がしく、また忙しい日々から、自然の中にひとり暮らす、のんびりとした夢のような日々がようやくやってきた。
ところが、実際にこうして一人暮らしをしてみると、どうにも寂しくてたまらない。
そこで、住まいとなっている草庵を出て、付近一帯を眺めてみると、あたりはもうすっかり秋の景色です。
そこで、「ああ、どこもかしこも、秋景色なんだなあ」と詠んだのがこの歌です。

ところが、ここで面白いのが、良暹法師が「いずくも同じ」と詠んだことです。
冒頭で「寂しさに」と詠いながら、下の句では「いずくも同じ」です。
何が同じかといえば「秋の夕暮れ」が「同じ」というのです。

一般には、ですから秋の夕暮れは「寂しさ」の代名詞とされています。
けれど、少し考えたらわかるのですが、大原のような大自然に囲まれた場所における秋の夕暮れはちっとも寂しくありません。
秋ですから天は高く、夕暮れ時には、空の雲が美しく紅く染まります。
山々に目を転じれば、そこには紅葉があり、あるいは黄色く色づいた樹々があり、鳥が啼き、夕暮れ時なら秋の虫たちが、冬越えの準備のための求愛に、声をかぎりに鳴いています。
街道に目を転じれば、そこには曼珠沙華(彼岸花)や、キンモクセイ、萩の花やキキョウの花が咲いています。
それらすべてが一体となって、みんなが生きている。

人がいない寂しさに、一歩外に出てみたら、そこは大自然の生命の息吹にあふれているわけです。
人間社会だけを見るのではなく、人も自然界のまたひとつと捉えれば、そこはまさに生命の大地です。

藤原定家は、この歌を三条院の「憂き世の夜半の月」、能因法師の「竜田の川の錦」の歌の次に配しました。
三条院の歌は朝廷の政争を、能因法師の歌はその政争さえも我が国では錦になると詠んでいます。

ということは、次に配された良暹法師のこの歌も、ただ寂しいとか孤独だとか言っているのではなくて、人に揉まれた比叡山も、人里離れた大原も「いずくも同じ」、つまり、どこもみんな、実は生命の息吹に満ちあふれた、それぞれの生命の活動の場であり、それらが渾然一体となってひとつの「美しい夕暮れ」を奏(かな)出ている。
つまり、みんなが生きている。
自分もそのなかのひとつとして、生かさせていただいている。
そういう感謝の思いが、この歌に詠み込まれていることに気付かせてくれます。

実に、奥行きの深い、まさに名歌の名にふさわしい歌であろうと思います。
そして、だからこそ、この歌にある「いづくも同じ秋の夕暮れ」というフレーズは、千年の長きにわたって人々に愛され続けてきたのだと思います。

71番歌 大納言経信(だいなごんつねのぶ)

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本朝を護る
71番歌 大納言経信(だいなごんつねのぶ)

夕されば門田の稲葉訪れて
蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く


ゆうされは
かとたのいなは
おとつれて
あしのまろやに
あきかせそふく
============

(現代語訳)
夕方になると門前の田んぼの稲穂に風が当たってサラサラと音がし、訪れた芦葺きのまるい屋根の仮小屋にも秋風が吹きますな。

(ことば)
【夕されば】時刻が移り変わって夕方になれば。
【門田】門の前に広がる田んぼ。
【訪れて】訪問するという意味と、音を立てるという意味があります。
【蘆のまろ屋】蘆は植物の葦(芦)のこと。「まろ屋」は、芦のまろ屋ですから、屋根が芦葺きでできた草屋根の建物であるとわかります。それが「まろ」ですから、カタチが丸みを帯びている、つまり丸みを帯びた草屋根の小屋を意味します。

(作者)
大納言経信は、宇多源氏に連なる人で、武人でありながら最後には正二位大納言で参議にまで名を連ね、82歳まで生きた人です。
名前は源経信(みなもとのつねのぶ)といいます。

源経信は、武芸に秀でているだけでなく、たいへんな学問のあった人で、歌会にも度々出場しているのですが、面白い逸話があります。
ある日、源経信が和歌をつくって詠んでいたところ、風流を好んだ朱雀門院の鬼がやってきて源経信の前で漢詩を吟じたというのです。

江戸時代の末期に歌川国芳(うたがわくによし)がこのシーンを絵にしていて、それが下の絵です。
ごらんいただくとわかりますように、恐ろしい妖怪がやってきたのですけれど、源経信はさすがは武人で、なんの動揺もみせず、実に堂々と鬼の様子を、むしろ楽しんで見ているかのようです。
一方、鬼は真っ赤な口を開け、そこから(おそらく臭いであろう)息を吐き出していますが、その息にはなにやら漢詩のようなものが書かれています。

源経信と鬼(歌川国芳)


この絵やこの逸話が象徴しているのは、源経信が堂々たる武人であり教養人であるということだけでなく、実は支那で生まれた漢詩が鬼のもの、つまり鬼の詩であるということをも象徴しています。
繰り返しになりますが、この絵が描いているのは、まずは源経信が鬼にも動じない猛者であるということです。

ただ同時に、それだけではなくて、百人一首の歌人たちの時代というのは、江戸時代と同じく日本は事実上の鎖国をしていた時期にあたります。
そしてなにより日本独自の文化を再構築していこうという時代でもあったのです。

ヨーロッパではルネッサンス運動といえば、14世紀から16世紀に起こった「古代ギリシア、古代ローマ時代の文化を復興しようとする文化運動」ですが、これとまったく同様の運動が、7世紀から14世紀にかけての日本で、日本独自の古典的文化を取り戻そうという文化運動が起こり、それが百人一首に代表される和歌を基調とした国風文化運動だったわけです。

つまり、奈良・平安時代の国風文化運動というのは、実は西洋でいうルネッサンス運動と同じ復古運動であり、しかもそのことが日本では西欧よりも700年も古くからはじまり、西欧よりも500年も長く続いたということなのです。(←このこと、結構大事なポイントです。)

ちなみにこの絵は、そういう意味からもとても素晴らしい絵なのですが、なぜか国宝とはなっていません。
そんなところにも戦後の日本の歪みが垣間みれるような気がします。


(歌意)
さて、この歌の解釈です。
歌の一義的な意味、つまり文字面上の意味は、「夕方、門前の田んぼや、わが家にも秋風が吹きますな」というだけのものです。

この歌には『金葉集』歌詞があって、そこには「師賢朝臣の梅津の山里に人々まかりて、田家秋風といへる事をよめる」とあります。
源師賢の仮小屋に、みんなで集まって、そこで「田んぼ、仮小屋、秋風」のお題で歌を詠み合ったときのもので、源経信は、まさにそのお題を全部まとめて一首の歌にきれいに詠み込んだ叙景歌であるというわけです。
そのように読んでも、それはそれで美しい歌です。

しかし、よく見ると、この歌は「夕されば門田の稲葉訪れて」と、「稲穂」ではなく「稲葉」に風が吹いていると
書いています。
稲は、秋に収穫のために稲刈りをしますが、ということは「稲葉に風」ですから、田は、まだ収穫前の田であることがわかります。
さらに、「稲穂」ではなく「稲葉」であることから、まだ穂先が十分に育っていない前の稲、つまり秋風とはいっても、まだ稲穂の小さな、夏の終わりから秋の初めにかけての秋風であることがわかります。

これが何を意味するかというと、稲が育っている途上であり、稲がもう少ししたら収穫できる、稔りの秋を迎えることが出来るという、いちばん大きな、期待に胸膨らむ季節を指しているということです。
実際に田んぼに行ってみたらわかりますが、苗代で苗を育て、田植えをし、その稲がどんどん大きく育って行って、いよいよ穂先に実がつきはじめる。
その実は、はじめのうちは、まだまだ小さいです。ですから軽い。軽いから稲はまっすぐに立っています。
ところがだんだんその実が大きくなってきて、穂先が垂れてくる。
よくいう「稔るほど頭を垂れる稲穂かな」の状態になります。

この源経信の歌は、そんな稲穂が垂れてくる前の、まだ稲穂が天を向いている、そんな状態のときの歌です。
そしてその時期は、一年のうちで、農家が一番、期待に胸を膨らませる時期です。

そして、そのような状態の田んぼの稲葉を前にして、歌を詠みあっているのは勇敢な「武人の」源経信であり、場所もやはり「武人の」源師賢の仮小屋です。
そしてその武人たちが、粗末なまろ屋に住んででも護ろうとしているもの、それが農家の田畑であり、収穫であり、今年の豊作に期待していちばん胸を膨らませている農家の人たちなのです。

そしてそんな農家の人たちを、収穫を、田畑を護るのが武人の役割です。
ですからこの歌は、ただ「田んぼに秋風が吹きますな」と詠んでいるのではなくて、その真意にあるものは、そういう、「人々の生活を護るのは俺たちなんだ」という強い自覚と誇りが、その日源師賢の仮小屋に集まった男たちに共通する思いであったことにあります。
だからこそ、この歌は「名歌」の仲間入りをしています。

そしてそのことは、藤原定家の歌の順番によって、一層、歌意が強調されます。
69番の能因法師は、我が国の政治はたとえ争い事があっても、それ自体がまるで錦のように美しいと詠みました。
70番の良暹法師は「いづくも同じ秋の夕暮れ」と、一見、寂寥感を詠ったように見せかけながら、実はその秋の夕暮れには、様々な命が息づき、それらが渾然一体となって大自然を構築している。悩みや苦しみがあっても、それらをぜんぶひっくるめて、美しいと詠みました。

そして71番の源経信は、稲葉を、農家のみなさんの期待を、生命を、財産を、護るのは俺たちだ、と詠んでいるわけです。
ここに、「民こそがおおみたから」とする、わたしたちのシラス国の根幹があります。
ちょっとむつかしい言葉になりますが、わたしたちの国は、「天壌無窮の神勅」による「豊葦原の瑞穂の国」だからです。
そしてこの歌には、まさにその「葦(蘆)」が、まさに詠み込まれています。

さらに定家は、この歌を詠んだ歌人の名を、「源経信」ではなくて、「大納言経信」と書きました。
定家が歌人の名前に役名を入れるときというのは、その歌は単に私的な情感を詠っているのではなくて、かならずそこにその歌人の職に関する事柄が詠み込まれていることを示唆しているときです。
その意味からも、この歌は、単に「秋風が涼しいね」と吞気なことを詠んでいるのではなくて、もっと別な何かを、ここから読み取らなければならないということがわかります。

そしてこの歌は、君も臣も民も、みんなが一緒になって、互いの役割をこなしながら、国を守り、稲を育て、みんなが生きて行く。それが日本の国のカタチであることを、見事に謳い揚げているのです。


さて、次回は、大納言経信、祐子内親王家紀伊、前権中納言匡房の三首です。
いったいどのような歌意を私たちに見せてくれるのでしょうか。
乞うご期待です。

米のとぎ汁発酵液による・・・病菌の増殖抑制・・・

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10月19日(土)~20日(日)に開催された日本生物高分子学会2013年度大会において、大学院バイオ環境研究科博士課程後期2回生の中田達矢君が、若手の優秀な発表に対して贈られる優秀発表賞を受賞し、表彰されました。
 発表題目は、「米のとぎ汁発酵液によるトマトかいよう病菌の増殖抑制に関する研究」で、発酵させたコメのとぎ汁によって、トマトを枯死させるトマトかいよう(潰瘍)病菌(Clavibacter michiganensis subsp. michiganensis)の増殖が抑えられる現象は、発酵液に含まれる乳酸菌が生成する成分によるのではないか、という研究です。
 優秀発表賞は学会大会の若手の優秀な発表に対して贈られるもので、今大会では中田君を含めて8名の若手研究者が受賞しました。中田君はバイオ環境学部第1期生で、今後の活躍が期待されます。
 (農業生産学研究室 關谷次郎) (上の記事のURL)メンバー
若手優秀発表賞受賞者。後列左から2人目が中田君。
前列左から芦高恵美子大会実行委員長、植野洋志学会会長。
快挙である! 米のとぎ汁ファンにとっては嬉しいニュースである。
なにしろ…、
発酵させたコメのとぎ汁によって、トマトを枯死させるトマトかいよう(潰瘍)病菌の増殖が抑えられる現象の研究が評価されのだから。
まぁ、米(コメ)というのは、稲(イネ)という植物の種(タネ)だ。
この種(タネ)が発芽する日まで、腐敗菌や病原菌による病害を防いでいるのは乳酸菌だ。
種(タネ)に大量の乳酸菌が付着しているのは、病害を防止して種(シュ)を保存するためだ。
3年半前…、
鷲が米とぎ汁乳酸菌を世に問うたとき…、片瀬久美子なんかが、
「米のとぎ汁を放置して腐った液体なんか」は、雑菌だらけで危険!などと、「科学ジャーナリスト」にしては危険なほどの無知蒙昧(むちもうまい)さを披露してくれたっけ。
だが、鷲は、米とぎ汁のなかの乳酸菌が病気を防ぎ、光合成細菌が放射性物質を取り込むことを確信していた。
この確信はズバリと的中して、米とぎ汁乳酸菌のなかの「雑菌」が原因で病気になるヒトなどは皆無であった。
あれから3年半。米とぎ汁乳酸菌の病害抑制効果を実証する研究が評価されて賞をもらった!というニュースは、ほんと、芽出たい!

「うつ」は食べ物が原因だった

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「うつ」は食べ物が原因だった! (青春新書INTELLIGENCE)

植物状態の人にも意識がある


折り紙にヒント「骨のない傘」

◆「心臓ガン」って聞いたことがない。その理由は?「ガンは高熱に弱い」

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◆「心臓ガン」って聞いたことがない……。その理由は?「ガンは高熱に弱い」

脳卒中、心筋梗塞と並ぶ「三大疾病」の一つである、ガン。あちこちに転移することもあり、非常に怖い病気ですが、実は「心臓にガンはできない」ということをご存じでしたか? 今回は、その理由について、分かりやすくご説明します。

■ガン細胞は、40度の高温では死滅してしまう

頭のてっぺんから足の先まで、どこにでも発生する可能性がある、ガン。しかし、心臓にはガンができません。一体なぜでしょうか? その秘密は、心臓の「温度」にありました。

心臓は、私たちの体の中でもっとも体温が高いところであり、心臓が生み出す熱の量は、体全体の約11%にもなると言われています。

ガン細胞は35度の環境でもっとも繁殖しやすいと言われますが、高熱には弱い性質を持っており、温度が40度以上ある心臓の熱には勝てず、死滅してしまうそうです。

■心臓の細胞は、細胞分裂を起こさない

心臓は横紋筋という筋肉で成り立っていますが、実はこの横紋筋には細胞分裂がほとんど起こりません。

したがって、細胞が極めて増殖しにくい環境にある心臓は、細胞の異常増殖の病気であるガンが発生しないと言われています。

私たちの体の細胞はどんどん分裂して増殖を繰り返すので、ガン細胞も広がったり転移をしたりするのですが、細胞が分裂しなければ、遺伝子の異常が起こってもそれ以上増えようがないというわけです。

■「心臓ガン」は存在しない

他の臓器とは大きく異なる性質を持つ、心臓。そこに腫瘍が見つかる確率はわずか0.1%しかなく、しかもほとんどが良性なのだそうです。ごくまれに悪性腫瘍ができることもありますが、それでも「心臓ガン」とは呼ばれません。

というのも、悪性腫瘍は、上皮細胞にできたものをガン、それ以外を肉腫と言います。心臓の主な構成要素は間葉系細胞で、上皮細胞が存在しないため、たとえ限りなく低い確率で肉腫ができることはあっても、「心臓ガン」という名称にはならないのです。

心臓にガンができない理由は、他にも「血液の流れが速すぎて、ガン細胞が定着しないから」とか、「活性酸素の傷害に対して抵抗力を持っているから」など、さまざまな説があります。また、心臓から分泌されるホルモンを投与すると、ガンの再発が少ないということも分かってきているそうです。

今後さらに心臓の研究が進めば、もしかすると、画期的なガンの治療法が見つかるかもしれませんね!

写真:
http://news.livedoor.com/article/image_detail/9380906/?img_id=7383848

マイナビウーマン 2014年10月21日10時42分
http://news.livedoor.com/article/detail/9380906/

老人の体をベッドに縛り付けて一日中固定……効率を徹底追求した老人ホームが話題に

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東京都北区に、家賃、介護費、医療費、食費などを含めて月約15万円で生活できるという「シニアマンション」3棟がある。
敷金や入居一時金もいらない。有料老人ホームとして自治体に届け出ていない制度外のホームだ。マンション業者は医療法人と提携し、
入居するには原則的に医療法人の審査が必要だ。ヘルパーは、医療法人運営の訪問介護事業所から派遣される。

ヘルパーら複数の医療法人関係者の証言と、拘束された入居者の写真や映像によると、
8月末の3棟はほぼ満室で、入居者約160人のほとんどが要介護度5か4の体が不自由な高齢者だった。

多くの居室は4畳半程度で、ベッドが大半を占める。ほかに丸イス1脚と収納ボックスくらいしかない。
ベッドは高さ30センチほどの柵で囲われ、下りられないようになっている。入居者によっては
腹部に太いベルトが巻かれたり、ミトン型の手袋をはめられたりして、ベッドの柵に胴体や手首が固定されている。

居室のドアは、廊下側から鍵をかけられる。「24時間ドアロック」と大きく書かれた紙などを張り、ヘルパーたちにドアの施錠を確認させている。

これらの行為について厚生労働省は「身体拘束」にあたるとして原則禁止している。例外的に許される場合もあるが「一晩中の拘束などは認められないし、
24時間はなおさらだ」(同省高齢者支援課)としている。写真や映像、内部資料を朝日新聞が確認したところ、8月末時点で約130人でこうした「拘束」が確認できた。

入居者への介護は最大限でも1回30分または1時間で、1日3~4回。これだけにとどまるのは、自宅にいる高齢者が受ける介護保険制度の「訪問介護」のためだ。要介護度が重い入居者でも、訪問介護以外の時間は原則的に対応しておらず、「拘束」状態が続く。



http://www.asahi.com/articles/ASGC76QSRGC7UUPI003.html
3:フロントネックロック(やわらか銀行)@\(^o^)/:2014/11/10(月) 03:52:43.78 ID:55LBEITx0.net
>>1の続き

 ■有料ホーム入れず、窮地に

 このマンションに今夏までいた90歳超の女性は「この年齢になって、こんな苦しい目に遭うと思わなかった」と振り返る。

 一人暮らしだった昨年、軽い脳梗塞(のうこうそく)で北区の総合病院に約3カ月入院した。杖がなければ歩けないほどになり、一人暮らしに戻れそうもない。
退院日が迫って焦っていた。自分の年金でまかなえる施設を探したところ、病院からこのマンションを紹介された。

 ベッドの四辺は柵で囲まれ、自力では出られない。上半身を起こせる電動ベッドなのに、一人の時は操作するリモコンが届かないところに置かれた。

 寝たきりになり、何も考えることなく天井を見つめるだけ。毎日つけていた日記には、介護に来るヘルパーの名前と時間ぐらいしか書くことがない。「気がおかしくなりそうだった」

 1年後、親族が申し込んでいた特別養護老人ホームが空いて退居できた。

 今年初めまで入居者だった70代の女性は、一昨年の年末に脳梗塞で倒れた。体が動かず、会話もできなくなった。
女性の親族は医師から「この状態を自宅でみるのは厳しい」と告げられたが、病院の相談窓口からは「特養への入居はすぐには難しい」と言われた。

 評判のいい有料老人ホームは高額で手が出せず、途方に暮れていたところ、「うちで引き取れます」と言われたのが、このマンションだった。

 お見舞いに行くと、ヘルパーが訪れた直後なのに、目やにで目がふさがっていたことがあった。手首がうっ血していても、ヘルパーに「24時間みているわけではない」と言われた。

 女性の介護計画を作るケアマネジャーの言葉が忘れられない。「自分の親はここに入れたくありません」

日本人のルーツを明かす 

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2014年11月29日

日本人のルーツを明かす DNA分析で縄文人と弥生人の混血が進んでいたと判明


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1: ひろし ★@\(^o^)/ c2ch.net2014/11/28(金) 21:51:37.11 ID:???0
DNA分析で縄文人と弥生人の混血が進んでいたことが判明
http://www.news-postseven.com/archives/20141128_285323.html

われわれの祖先はどのように日本に渡り、どのように変貌したのか。
最先端のDNA分析により得られた新事実を、ヒトゲノムによって日本人の起源を探る研究の第一人者、国立遺伝学研究所の斎藤成也教授が明かす。
 
 * * *

DNA分析という手法の開発により、分子生物学によって日本人のルーツを探る研究は劇的に進歩した。
DNAは「たんぱく質の設計図」とされる物質で、親から子に遺伝情報を継承する。

人体を構成する約60兆個の細胞は、すべて最初の1個の受精卵が起源であり、細胞増殖によって体が作られる。
この増殖でDNAが複製されるとき、稀にDNAが部分的な突然変異を起こすことがある。
変異が精子や卵子などの生殖細胞で起きると、部分的に変異したDNAはそのまま子や孫へと引き継がれていく。
 
アフリカで誕生した人類は7万年前から世界に拡散していったが、特定の集団のなかで誰かの生殖細胞に変異が起き、集団内でそれが広まり蓄積することがあった。また、別の集団との交流により、混血で変異が共有されることもあった。
 
つまり、現代人と遺跡から出土する人骨のDNAを分析し変異の痕跡を比較すれば、どこで変異が発生し、どう受け継がれてきたかが分かり、人類がアフリカからどのようなルートを辿って拡散したかが見えてくるのだ。
 
では、日本人はどこからやってきたのか。若干の想像を交えて、最新のDNA分析の結果から推定されるルートを提示してみよう。
  

およそ7万年前に我々の祖先がアフリカを出たことはすでに判明している。数度に亘る「出アフリカ」の何回目かにアフリカを出た人々がアラビア半島を渡り、ユーラシア大陸の南側に進出。5万年ほど前に台湾や琉球諸島を経て、日本列島の地を踏んだと考えられる。
これがいわゆる「縄文人」だ。1万年前までは最終氷河期で、海面は今より70m低かった。
氷河にも覆われていたので、台湾、琉球からの渡来はそう難しくはなかっただろう。
   
一方、7万年前にアフリカを出て東アジアに渡った人々は、小麦農耕の技術を身に付け、今でいう中国の中原と呼ばれる地域で人口を爆発的に増やした。そこからあふれ出た人々が稲作の技術を携えて移動し、およそ3000年前に朝鮮半島を経て、北九州に渡った。それが「渡来系弥生人」と考えられる。
 
実はこの説は、DNA分析が行なわれる前からあったが、従来は、農耕民の弥生人により狩猟採集民の縄文人が駆逐され、北海道に追いやられたのが「アイヌ人」、南に追いやられたのが「沖縄人」と考えられていた。
しかし、現代日本人のDNA分析によって縄文人と弥生人の混血が進んでいたことが判明し、両者の間で交流があったことが認められた。
 
※SAPIO2014年12月号

癌の治療に新たな光明!

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2014年11月29日

癌の治療に新たな光明! 免疫システムによって癌腫瘍を小さくすることに成功

immunotherapy

がん細胞の腫瘍がなかなか小さくならないのは、
免疫機能によって自然治癒しないからであると考えられてきたが、
免疫細胞によって悪性細胞を治療することができる可能性が最新研究によって示唆された。

もしもそれが現実のものとなれば、がん細胞をコントロールすることが可能になり、
より長期的な治療や、延命措置が可能になると言われている。
 

通常、腫瘍はT細胞を、CTLA4やPD-1といった免疫細胞によって無効化してしまうのだが、
ある抗体を用いることによって、このCTLA4やPD-1をブロックし、
T細胞に腫瘍を攻撃させることに成功した。

これは"治療"という言葉を使えるようなことではないにせよ、
長期的な病気の管理や延命措置としては十分な可能性があると研究者は語っている。

こうした免疫による治療方法は、まだ一部のがんにしか効果が見られておらず、
研究者は何が理由となって効果が現れる患者とそうでない患者がいるのかについて、
引き続き調査を続ける見込みである。

ただ、いずれにせよ、免疫システムががん細胞を敵とみなすことができるというのは
大きな発見であり、今後の進展次第では、本当にがんは恐ることのない病になるかもしれない。

元の記事:Science

「そっと手を当てる」だけで体は治っていく

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『ゆほびか』2015年5月号

2015年03月16日 全国の書店で発売
定価690円(税込)
全国の書店のほか、下記オンライン書店でも取り扱っています。
ご購入は
定期購読は

「下腹はぺったんこ、わき腹はくびれ」これが正解!

今やるべきは、たるみ解消 たるみタイプ別診断つき

パート1 道端カレンさん、夏樹陽子さんが教える
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『ゆほびか』読者428人に聞きました!
泣いた!笑った!「下腹・わき腹たるみ」大アンケート


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ボディメイクのプロが大公開!下腹やわき腹のたるみに鋭く効く「骨盤ストレッチ」のやり方
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パート5 大学教授、医師が最強タッグ!
楽々15センチやせた!「血流・代謝」をアップさせ、わき腹・下腹・背中たるみまで削る
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自律神経を整えて血流アップ!わき腹・下腹のたるみを削る!名医考案の「セル・エクササイズ」
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体験者 わずか2週間でくびれが復活!二の腕の裏のたるみや足のむくみもきれいに消えた!

順天堂大学医学部教授/小林弘幸 さかえクリニック院長・プロアスリートトレーナー/末武信宏 ほか


パート6
「リンパの詰まり」を改善し、むくみを解消! ポッコリ腹からくびれ美人になる「リンパストレッチ」

水分・脂肪・毒素を排出し巡りのいい体で効果的にやせる!簡単!「リンパストレッチ」
1日1分でずん胴にさよなら!わき腹のくびれを作る「リンパストレッチ」のやり方
体験者 ウエストが大幅にサイズダウン!気持ちよく体をひねっただけでやせて腰痛も完治した
体験者 モリモリ食べても太らない!快眠・快便・病気知らずの秘訣は寝る前の「リンパストレッチ」
日本ホリスティックセラピストアカデミー校長/加藤雅俊 ほか


パート7 日本人の8割が該当! 「腸のねじれ、落下」を直し快便に!たるんだ腹もペタンコに!
「腸ゆらし」マッサージ

腸の名医が考案!腸のねじれ、落下によるポッコリ腹が解消する「腸ゆらし」
おなかを優しくトントントン!腸をゆるめて便秘も一掃する「腸ゆらし」のやり方
体験者 なにをやっても出ない重症の便秘が「腸ゆらしマッサージ」で改善し体重も減った!
体験者 20年来の便秘が解消!便の詰まった左腹部もスッキリし快適な日々を満喫

国立病院機構久里浜医療センター内視鏡検診センター部長/水上 健 ほか


パート8
「筋力・気力の衰え」が招くお尻のたるみを取り 下腹も太もももギュッと締める「ごろ寝バタ足」

筋肉と経絡を刺激して下半身のたるみを消す!気力もアップ!「ごろ寝バタ足」
ヒップアップ効果抜群!わき腹・背中・太ももにも効く「ごろ寝バタ足」のやり方
体験者 お尻が持ち上がり太ももスッキリ!おなかまわりのたるみも減少!腰痛も予防できた
体験者 ヘルニアによる腰痛が改善!左右に広がっていたお尻のたるみもスッキリ解消

倉敷芸術科学大学健康科学科教授・鍼メディカルうちだ院長/内田輝和 ほか

「そっと手を当てる」だけで体は治っていく

更年期障害から不安・不眠・認知症・ガンの痛みまで癒す

大学教授・東大医師・看護師・90歳整体師らの「手当て法」も紹介


気分の落ち込みや不安を軽減し、心拍数と血圧を低下させる「手当て」の効果
機器や薬がない状況でも手の力で医療はできる。病気もケガも治っていく
手で触れるだけで患者さんの痛みや苦しさが和らぐ。救える命があると確信している
「よーし、よし、よし」と触ることが大人と子どものキレる・忘れる症状を改善
手を当てて呼吸すると痛みやケガが速やかに改善!整体の技「愉気」のやり方
更年期障害、ガンの痛みなどに効果を上げる北欧生まれの手当て「タクティールケア」

桜美林大学教授/山口 創 東京大学医学部附属病院循環器内科助教/稲葉俊郎 看護師・日本赤十字看護大学名誉教授/川嶋みどり 国立成育医療研究センターリハビリテーション科医長/橋本圭司 整体指導師/天谷保子 看護師・スウェーデン財団法人シルヴィアホーム認定インストラクター/木本明恵

「ホーリー・バジル」がガン・潰瘍性大腸炎・ぜんそく・肝臓病にいい感じ!

自宅で栽培できるインドの薬草

ホーリー・バジルの種を1000名に無料進呈!

類まれなる薬効の「ホーリー・バジル」は心身の健康維持に最適なハーブ
【体験談】抗ガン剤治療によるひどいむくみが1週間で取れ、倦怠感も消えた
【体験談】母のステージ?の肺ガンが縮小、「体が軽くなった」と本人も大喜び
【体験談】慣れない異国生活で患った気管支炎がよくなり、仲間もできた
【体験談】「手術しかない」と言われた夫の潰瘍性大腸炎が4カ月で治った
【体験談】肝硬変の一歩手前の状態から正常値に戻り体のだるさもなくなった
【体験談】どんな治療も効果がなかったぜんそくの発作が1カ月で出にくくなった
自宅でプランターで栽培できる「ホーリー・バジルの種」を1000名に無料進呈

医師・日本アーユルヴェーダ協会理事長/上馬場和夫 ほか

専門医推奨「ホットバナナ」ダイエット

20キロ12キロ楽やせしたダイエットが超進化!便秘解消、肌ツルピカ!

おいしくて美肌効果と便通効果も抜群!医師も勧める「ホットバナナ」ダイエット
20キロ、12キロ楽やせ続出のバナナダイエットをより強力にする「ホットバナナ」
ホットバナナダイエットで3・5キロやせた!目のたるみやくすみも消え美肌になった
デザート代わりのホットバナナで爽快に便が出て体重も3・5キロやせた!
ホットバナナを食べた日から便通がよくなり体重も3キロ減!おなかもスッとへこんだ
しつこい大人ニキビがホットバナナで消えてすべすべ美肌になり2キロの減量にも成功!

松生クリニック院長/松生恒夫 医学ジャーナリスト/松崎千佐登 ほか

あいはら友子「災い転じて福となす風水」

収入減・就職難・家庭不和・事故・天災… 波乱を生き抜く具体的な方法を伝授!

トラブルに打ち勝つ 「赤富士と馬」の開運絵画付録つき


波乱の1年を乗り切る唯一のカギは「勇気と挑戦」の力を300%出すこと
【収入源・失業・倒産】どんな仕事も引き受け周囲に尽くす姿勢が大事
【家族の不仲・セックスレス】家族を愛で丸抱えする覚悟を持てば関係は改善する
【生活習慣病・交通事故】精密検査が望まれる1年!運転時にはスピード注意
【伝染病・自然災害】免疫力強化・避難場所の確認など基本的な備えが被害を抑える
【特別対談】西岡徳馬/あいはら友子「人生を前進させるのは挫折を乗り越えるエネルギー」
【専門家解説】クラッシュとは自分を成長させ、成功に導くための幸せなプロセス

中央労働災害防止協会認定心理相談員・女優・日本画家/あいはら友子 俳優/西岡徳馬 いのうえ歯科医院理事長・島根大学医学部臨床教授・歯学博士・経営学博士/井上裕之

太陽凝視:可視光線の範囲が広がる!

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世界的な大発見!
「ロートルエンジニア」を自称する京都の清田氏は鷲のファンだ。
清田氏が先頃、拙宅に送ってきた不思議な電子回路の基盤。
それは、7色のLEDランプが発光するだけのシンプルな基盤だ。
7色とは、紫、青、青緑、緑、黄、橙、赤。つまり可視光線の色だ。
そして8色目に、400nmの紫外線が出るLEDランプがある。
ようするに7色のLEDランプが虹のように輝く発光基板を、清田氏は鷲に送ってきたのだ。
なんの変哲もない・シンプル・単純、おもちゃみたいな回路…。
ところが!である。
これが大変な発見!清田氏が発見した「原理」は、ノーベル生物学賞ものの大発見なのだ。
どのような大発見なのか?! 下の本文に書く。
LED1
なんの変哲もない、7色のLEDランプを組み込んだ電子回路。

LED1
四角い青色のスイッチを押すと…

LED1
虹のような7色のLEDランプが発光する。紫外線発光LEDもある。

以上、7色のLEDランプ発光させるだけの単純な電子回路なのだが…、これが大変なビフォー・アフターで、太陽凝視を10分~15分した後にLEDランプを見ると、元の色が丸で変わって見えてしまう!
これは、じつは、豚でもない大変なコトなのだ。
そのコトを以下に解説する。

人間の目は 狭い範囲の光しか見えない!
hado
結論を先に言うと…、
10分~15分間の太陽凝視によって、
可視光線の巾が30nm~80nmほど広がる!
黄色のLEDランプが赤色に見え、青色のLEDタンプは紫色に見えてくる。(あまり見続けてはいけないが…)紫外線ランプも鮮やかな紫色に見えてくる。

つまり、太陽凝視によって、普通の人間には見えない光線が見えてくるのだ。

人間の目に見える光線(可視光線)の巾は非常に狭く…、
人間は紫外線や赤外線を見ることが出来ない。
それが、太陽凝視によって普通の人間には見えない光線が見えてくる。となると…、ヒトは超人の視力を得ることができる!
そういう超人の視力を持った人間が世界には大勢いるのだが、それが太陽凝視の効能だと見破った学者はいない。
蜜蜂。
晴天の日の蜜蜂の飛び方はジェット機のように早い。
甘い蜜のある花を一瞬で発見し、一直線に飛んで行く。
あれは太陽を見て、紫外線を浴びて、視力と可視光線の巾を広げて、目標の花蜜を一瞬で見抜くのだ。
「ロートルエンジニア」こと京都の清田氏がつくった“LED電子回路”は、上のような新しい生物学的な大発見の予感を感じさせる。
飯山 一郎

火星の文明は宇宙人の核攻撃で滅亡した

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火星の文明は核戦争により滅亡したのか? 火星探査機が「キノコ雲」を撮影する

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 昨年、米国物理学協会で有名なプラズマ物理学者が「火星の古代文明は宇宙人からの核攻撃により滅亡した」という論文を発表し話題になった。以前、トカナでも「火星の文明は宇宙人の核攻撃で滅亡した、次のターゲットは地球」という記事を掲載したので覚えている方も多いだろう。今回はまさに"核爆発?"と思われるような「キノコ雲」が、火星表面から立ち上がる写真をインドの火星探査機が撮影し、世界中から注目を集めているというニュースについてお伝えする。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2015/03/post_6025.html】

■核爆発か? 火星表面に立ち上る"キノコ雲"

 英「Daily Mail」紙によると、問題の画像は火星の赤道に沿って伸びる長さ4,000kmの巨大峡谷「マリネリス峡谷」付近で発見され、インドの火星探査機「マンガルヤーン」が撮影したものである。

 フランスの「You Tube」チャンネル「UFOvni Disclosure」は番組の中で「この巨大なキノコ雲は風塵からなる非常に珍しい雲であり、これは核またはメタンガスの爆発によるものだと考えるべきである」と主張しているが、豪サザンクイーンズランド大学・科学研究センターの天文学者であるジョンティ・ホーナー博士は「"火星で核爆発が起こっている"なんて面白い考えだけど、これは残念ながらクレーターの溝が角度によってキノコ雲のように見えただけだよ」と真っ向から反論している。

 しかしながら、昨年の米国物理学会でプラズマ物理学者のジョン・ブランデンバーグ博士の「火星の古代文明は宇宙人からの核攻撃により滅亡した」という論文には火星で核爆発があったことを裏付ける数々の証拠が発表されており再び注目が集まっているのだ。

■火星には高度な文明が発展していた

 ブランデンバーグ博士によるとシドニア地区にある有名な「火星の人面岩」は核攻撃により滅んだシドニア文明の遺跡であり、かつての火星は地球に似た環境で動物や植物の生命にあふれ、古代エジプトのような高度な文明が栄える美しい惑星であったという。

 当初、博士は火星表面に存在するウラン、トリウム、そして放射性カリウムなどの放射性物質の層は自然に起きた熱核爆発によるもの、と考えていたがその後の研究で「火星の大気中にある多量の核同位元素は水爆実験のものと酷似しており、これは宇宙からの核攻撃によって文明が消滅したという例証になる」と結論づけた。
 
 博士はこの見解をもとに、宇宙には非常に高い知能を持った生命体が存在し、彼らは目障りな文明を滅亡する技術を持ち合わせていることを想定。彼らにとって目障りならば地球も攻撃の対象となり得る、と警鐘を鳴らしているのだ。

 今回撮影されたキノコ雲は錯覚なのか、核爆発なのか憶測の域を出ないが、もしこれが「雲」であるとしたら"火星は重力が小さく、大気は存在しない"という発表も疑わしいものとなるだろう。くしくも撮影された昨年の10月19日は「サイディング・スプリング彗星」が火星に再接近した日でもあり、そこに何らかの関係があるのだろうか。
(文=遠野そら)

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"「腸造血理論」に基づく食事療法で、ガンを予防・改善する"

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"「腸造血理論」に基づく食事療法で、ガンを予防・改善する"Health Net Media10/10月記事
 食べた食物が血液の質を決める!~隠された衝撃の学説「腸管造血説」とは?  

がん治療の食事療法ではマクロビオティックやゲルソン療法がよく知られる。そうした食事療法の背景にあるのが、故・千島喜久男博士が提唱した「腸造血理論」である。セントマーガレット病院でがん患者の治療にあたる酒向猛医師に、我が国のがん罹患の現状や食事療法の有効性について伺った。

医療法人社団 恵仁会 セントマーガレット病院
              統合医療科部長 酒向猛 氏

編集部:がん罹患の現状についてお聞かせください
 
酒向:2人に1人ががんに罹り、3人に1人が亡くなっています。がんの原因としては、やはり食の欧米化が考えられます。また、食品添加物や化学薬品、農薬や化学肥料漬けの農業の問題もあります。
動物が成長促進のため女性ホルモンを注射され、さらに農薬や化学肥料漬けの飼料で飼育されると、脂肪に汚染物質が蓄積します。それを人が食べ、取り込みます。動物性脂肪の過剰摂取もよくありませんが、さらに動物性脂肪の中に濃縮されていることが問題なのです。乳がんなどもそうしたことが関係しているようです。乳腺というのは脂肪の中に埋まっていますから、そこからがんになりやすいということもあるようです。
編集部:人口動態統計をみますと、日本人の平均寿命の伸びとともに、がん(悪性腫瘍物)も増えていますね
酒向:戦後、乳児死亡率が非常に低くなっていますので、その分、平均寿命は長くなっています。しかし、決して健康な老人が多いというわけではありません。
また、高齢者人口の増加に伴い、がんが増えたということもあります。高血圧の薬でもがんが増えることがあるという意見もあります。血圧が高いのは、血流を良くするための作用なのですが、それを無理やり薬で下げるわけですから、脳出血や血圧による病気で亡くなることは減るかも知れませんが、逆に血流の障害によりがんが増えるともいわれています。
編集部:昔は今のようにがんも多くなかったようですが

酒向:がんの罹患率は低かったです。明治・大正時代、一番多かったのは急性胃腸炎という分類で、今でいうコレラ、チフスです。昭和初期あたりからは結核。昭和25年には脳卒中が1位になりました。昭和56年にがんがトップになります。

編集部:国民医療費は現在34兆円で、年々増える一方ですが
酒向:日本では、医者に行って薬をもらえばいいという考えですが、それもよくありません。医療費が増えている一番の原因は、医療機器など機械の設備に費用がかかるためです。日本も他の国々も一緒です。ある医療経済学者が、医療費高騰の原因は、人口の高齢化ということもあるが、まず医療技術の発展によって高い機械が必要になってきたことだといっています。
私が医者になった30年程前は、超音波もなければCTもありませんでした、地方の中核病院の手術室に心電図が1台しかないという状態でした。今は、とにかく医療機械が増えています。日本は世界で一番CTがあるともいわれています。
それから、昔は1人の医者が多くの分野の病気を診ていましたが、今は専門家じゃないと患者さんも納得しません。当直も昔は1人で済みましたが、今は何人もいないとダメで、当然人件費もかかります。医療の細分化が進み、患者さん側の要求も増えるようになりました。患者さんも医療費をかければどんな病気でも治るという幻想を持つようになりました。もちろん、そのような幻想を持たせた医者側にも責任があります。
編集部:がん治療に、どのように取り組まれていますか

酒向:私は、2年ほど前に当院に赴任しましたが、ここではゲルソン療法を採用しています。現在の医療体制では、混合診療ができません。代替療法を行うにはさまざまな制約があり、不自由なことが多いです。
私は、故・千島喜久男博士の腸造血理論を支持しています。西洋医学は骨髄造血ですが、東洋医学では、黄帝内経にもあるように腸造血です。

大学院時代にがん細胞の培養実験を行いましたが、骨髄造血にはいろいろな矛盾があることが分かりました。現代医学は、血液細胞は骨髄で造られるとしています。ドイツの有名な病理学者、ウィルヒョウが「細胞は細胞より生ずる」と主張し、それが今日の定説となっています。
千島学説では造血は消化管、とくに小腸で行われるとしています。また、細胞は細胞分裂により増殖するだけではなく、細胞構造を持たない有機物から自然発生するとしています。
私は、腸造血のほうが正しいと思いますが、正当派の学者は認めていません。なぜ、腸造血理論が認められないかについては、『隠された造血の秘密』(エコ・クリエイティブ刊)という本の中で書きました。
編集部:食事療法というと日本ではマクロビオティックがよく知られていますが
酒向:マクロビオティックは日本発祥の食事療法で、故・桜沢如一先生が提唱され、アメリカでは久司道夫先生が普及させました。動物性食品はダメで植物性食品が良いという点はゲルソン療法と共通しています。
マクロビオティックは生の野菜・果物は体が冷えるとしています。がんの場合、体が冷えているから生はダメとしています。果物はあまり薦めていません。
ゲルソン療法では生の野菜と果物を多く摂ることを薦めています。千島先生の腸管造血からすると、野菜・果物はあまり熱を加えず生の新鮮な形で摂ったほうが良いです。
野菜の摂取については、今、日米で逆転しています。日本よりアメリカのほうが野菜を多く食べるようになってきて、そのせいか、アメリカではがんによる死亡者が少し減ってきています。日本ではがんによる死亡者は右上がりで増えています。
編集部:野菜は熱を加えると、酵素が壊れるといいますね
酒向:そうですね。あまり調理しないほうがいいです。その典型的な食事療法が甲田療法です。玄米も擦って食べます。一切、火を通しません。腸管造血という観点からすると、理想的な食事といえます。ただ鳥のエサのような食事だということで8割くらいの方が途中で脱落しますね。
マクロビオティックは玄米菜食で、玄米にゴマ塩をかけてということですが、ゲルソン療法では消化の点から、オートミールを薦めています。玄米は消化が良いとは言えません。また、マクロビオティックではタンパク質の代用として大豆を薦めますが、ゲルソン療法では大豆は薦めていません。塩も制限します。油物も摂りません。

それから、ゲルソン療法では海産物はあまり使いません。重金属による海の汚染ということがありますから。ゲルソン先生は、現代人はいろんな化学物質で肝臓がやられていて物質代謝が障害されており、それががんの大きな原因だと指摘しています。肝臓さえ健康であればがんは治るといっています。
ゲルソン療法の柱は、食事療法と浣腸です。コーヒー浣腸で、肝臓を刺激して胆汁を出し、肝臓の解毒作用を促進させます。

編集部:千島学説では、汚れた血液ががんになるということですね。実際に、がんになった場合、自宅での食事療養である程度の改善が可能ですか

酒向:私は15,6年前から食事療法を指導していて、かなり進行した患者さんにはこういう食事にしたらという簡単な冊子のようなものを渡していますが、ほとんどの方が我流や中途半端です。やはり治すのならしっかりした施設なり指導者のもとで行わないとダメです。ある弁護士の方で、一流病院で肺がんと診断されて、もう10年近くになりますが、肺がんを手術せずにマクロビオティックで治したという方がいます。その方はアメリカの久司先生のところまで行かれて、直接指導を受けて食事療法を厳密にやったようです。

がんの術後の食事療法にしても、しっかりした指導者のもとで行わないとあまり意味がありません。せっかく手術で治ったのにダメになったという例もあります。もちろん手術でも100%治るというわけではありませんから、バランスのとれたケアが大切です。
腸造血理論に基づく食事療法を森下敬一先生(お茶の水クリニック)が実践されましたが、森下先生のお話ですと、20年くらい前は食事療法をちゃんとやればがんがかなり治りましたが、最近は改善率が低くなっているといいます。一つには食品自体の力が落ちていることもあります。また、食事療法を受けている年齢が5060歳で、若い頃から化学薬品漬けになった食品生活をしているため自然治癒力が落ちているともおっしゃっていました。
編集部:現代医療のがん治療の問題点について
酒向:現代医療のがん治療は、手術・抗がん剤・放射線療法ですが、これらの治療法はがんの根本的な原因をなおしているわけではありません。早期の場合は、手術で治ることもあります。
抗がん剤については、私の経験では胃がんや大腸がん、肺がんなどで、がんが小さくなることはありますが、完治したという人はいません。
抗がん剤をうまく使えば患者さんのQOLを改善しますし、多少の寿命を延ばすという効果はありますが、抗がん剤で治るのは白血病や悪性リンパ腫でおよそ半分くらいです。全がん患者のなかで、抗癌剤で治るがん患者は約23%です。
早期に、化学療法ではなく、いわゆる自然療法でやれば癌が治る可能性もありますが、中々それができません。というのも、早期に、自然療法を薦めてもし患者さんが亡くなったら、なぜ標準治療をしなかったのかと訴えられ裁判では確実に負けます。患者さんが自然療法を行うことを納得してくれればいいのですが。
編集部:抗がん剤を拒否する人々も増えつつあるようですね
酒向:延命効果やQOLの改善効果しかなく、結局、標準治療で治らないということでしたら他の方法を選んだほうがいいのではないかと思います。
昔は、抗がん剤はあまり効かなかったし副作用もありませんでした。医者も患者さんに何か与えないといけないですし、患者も何も与えられないのも不安だということで抗がん剤を使っていました。今は効くようになった分、注意して使わないといけません。

私は、西洋医学的な治療でもうだめだといわれた患者さんには、抗がん剤はやめて代替医療でいきなさといいます。ただ、抗がん剤を使っている患者さんは抗がん剤で免疫力を障害されて代替療法でも非常に治りにくくなります。ゲルソン療法にしても、専門家にいわせると抗がん剤を使っていたら本当に治りにくいといいます。

編集部:がんの遺伝子療法が話題になっていますが

酒向: 20年ほど前にがん遺伝子が発見されて、その時に20世紀のうちにがんは遺伝子治療で治るといわれていましたが、今はまだ実験段階です。人体実験(臨床試験)では、ほとんど効果がないというのが現状です。
遺伝子が損傷して異常な細胞が出来るといっていますが、がん抑制遺伝子といって、遺伝子自体を治す遺伝子もあります。このがん抑制遺伝子自体が働かないことが発がんの一つの原因となります。

編集部:代替医療を利用している患者さんは増えていますか?
酒向:増えていますね。患者さんの半分くらいが代替療法を併用しているというデータがあります。その9割以上がサプリメントです。アメリカでは、医者が処方する薬より代替療法に使う額のほうが多いそうです。いかにアメリカは予防に力を入れているかということがわかります。
アメリカは10年以上前から100億円近い予算を代替療法の研究に投じています。スローケタリングというアメリカで一番大きながんセンターがニューヨークにありますが、そこに代替医療部門があるほどです。
私が医者になって判ったことは、薬で治る病気というのは非常に少ないということです。急性の感染症は抗生物質が良く効きますが、高血圧が治るかというと、確かに血圧は下げますが、やめてしまえばだめです。膠原病やアトピー、糖尿病にしても薬で治る病気は少ないです。
編集部:医薬品との相互作用など、代替医療の問題点について
酒向:もちろんサプリメントだから安全というわけではありません。医薬品との併用については、医者にちゃんと相談すべきです。厚労省の代替療法のガイドラインにも、代替療法を併用する際は、主治医に相談しなさいとあります。ただ、主治医に相談しても、日本ではそんなものはインチキだという人がほとんどで、医師の理解不足ということもいえるかもしれません。
サプリメントについては、ある程度免疫力をあげる効果はあると思います。だだし、サプリメントだけでがんを治すことは無理だと思います。世界中の学者ががんの特効薬探しをしているのに、未だに効くものはないのですから。

患者さん自らが生活を見直し、食事や生活習慣の改善をして、その中でサプリメントを補助として利用するということが大切です。

編集部:がん予防や治療における心得については
酒向:私の治療法の原則は、物理療法も精神療法も全てやりなさいということです。相乗効果が出ますから。ダイエットも食事療法だけでは中々効果がでません。運動と両方で効果があります。がん治療についても食事も精神療法もバランスよくしなさいということです。治療法は掛け算です。
今、西洋医学の医者は手術・抗がん剤・放射線療法でだめなら後はホスピスへ行きなさいというようなことをいいます。一方、代替療法をやっている人は、西洋医学的な処置などとんでもないという極端ないい方をし、お互いが歩み寄ろうとしません。

両方が大切です。もちろん現代医学の良いところがあります。それぞれの良いところをバランスよく取り入れていくことが大切だと思います。

発行:株式会社Eco・クリエイティブ 定価:1,890円(税込み) ・頁数:336ページ

酒向 猛(さこう たけし)
【 略 歴 】
昭和51年 順天堂大学医学部卒業、岐阜県立多治見病院 研修医
昭和52年 岐阜県立多治見病院 外科医局員
昭和57年 名古屋大学 大学院医学研究科入学
昭和61年 名古屋大学 大学院医学研究科終了、岐阜県立多治見病院外科へ赴任
昭和63年 医学博士、岐阜県立多治見病院 外科部長、中津川市民病院診療部長兼統括外科部長を経て現在


心療内科と精神科や神経内科との違いについて

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心療内科と精神科や神経内科との違い

心療内科と精神科や神経内科との違いについて知らなければ受診できない、ということではありません。しかしこれをよく理解することで、あちこち回されて時間やお金を無駄にしなくてすむので、知っておいて損はないでしょう。

心療内科は主に心身症を扱います。
心身症については「心療内科とは」で詳しく述べたので、参照して下さい。心身症は身体疾患ですから、身体の症状が主訴(主たる訴え)ということになります。

精神科は精神疾患を専門に扱う科です。
わかりやすく言えば心の症状、心の病気を扱う科であるということです。心の症状とは、不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などのことです。

精神症状、精神疾患に関する専門家が精神科医ですから、そういう病態の場合には、たとえ軽症であっても精神科が適当ということになります。これにはうつや統合失調症はもちろんですが、神経症や不眠症も入ります。
そのような疾患で身体症状を伴う場合もありますが、基本的に精神疾患がメインであれば精神科ということになります。

神経内科は脳神経系の疾患を取り扱います。
脳血管障害やパーキンソン病、ニューロパチーなどの神経の病気を扱う科です。
この場合の「神経」というのはいわゆる「神経が太い」とか「神経質」という神経ではなく、実際に筋肉などの組織につながって、信号を伝えたりしている実体のある「神経」のことです。

神経内科はそれほど混乱されることはないのですが、心療内科と精神科は紛らわしく、混乱があるようです。ごく大まかに言ってしまえば、身体の症状がメインならば内科または心療内科、心の症状が主体ならば精神科ということになりますが、実際にはどちらか紛らわしい場合もあります。
紛らわしい場合にはどちらかに相談することで、より適切なところへ紹介されることになります。

 

心療内科と精神科

よく町の開業医(クリニック)で、「心療内科」という標榜がなされていても、実際は精神科である、ということがあります。なぜそうなるのかというと、「精神科」とすると敷居が高く、患者さんが来にくいからということのようです。これはしかし、混乱の基にもなっています。
「心療内科」という標榜はもともと心身医学から出てきた言葉ですから、それを「軽症の精神科」と勝手に解釈して使うべきではありません。もし、「精神科」という名前がよくないならば、より親しみやすい名前に変えるのが適切でしょう。
「心療内科」は精神医学とは違うところから出てきていますので、その名前を使って精神科の医療を行なうのは問題があります。「耳鼻科」と標榜しながら眼科医が診療するのと同じになってしまいます。

心療内科は「ミニ精神科」「軽症の精神科」とは違うということをよく覚えておいて下さい。
精神科の専門医であっても心療内科をほとんど知らない、研修も受けたことがないという医師は沢山います。
逆に、心療内科の専門医であっても精神科の研修を受けていない医師も多くあります。一人でいくつもの専門家にはなれないので、そのこと自体は全く問題ないのですが、標榜は自分が研修を受けた専門の科にすべきでしょう。その上で、両者の連携も非常に重要です。

では、受診する側からはどう見分ければよいのでしょうか。
標榜が「内科・心療内科・」となっていれば、本来の心療内科医か、内科医で心療内科を学んだ医師が担当すると考えられます。「神経科・心療内科・」などとなっている場合はまず精神科医が担当と考えられます。
ですから、身体の症状がメインならば前者を受診すればよいし、心の症状がメインならば後者を受診すればよいということになります。

心療内科は内科の一分野と考えることができます
この方が理解しやすいかもしれません。つまり、内科にも消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、神経内科というように専門科があり、それぞれが連携して治療を行っています。その中に心療内科もあるということです。心療内科医は基本的に内科医であるということです。ですから、心療内科医でありながら、風邪や高血圧、糖尿病といった一般内科的な病気をプライマリケアのレベルで診ることができない、ということは考えられません。消化器内科医といっても一般内科的な疾患を診ることができ、その上に専門の消化器をやっているのと同じです。

しかし、心身医学のより本質的なところは、疾患の捉え方やアプローチの仕方にあります。
すなわち、心身医学は
「こころとからだ、そして、その人をとりまく環境等も考慮して、それぞれの要素を分けずに、その関係性(心身相関)も含めて、統合的にみていこうする医学」 ということができます(心療内科とは)。

このようなアプローチは内科だけでなく、耳鼻科や整形外科などの他の科でも応用できます。その場合は「心療耳鼻科」とか「心療整形外科」と呼ぶのでしょうか。まあ、呼び方はどうでもいいのですが
少なくとも実際の医療の現場では、そのようなアプローチを必要とするケースが増えているというのは紛れもない事実です。

最後にまとめて、受診科の選択の例をあげると

·        身体の症状がメインだが、検査をしても異常がない、あるいは、経過からストレスなどが関連していると思われる。心療内科

·        不眠や不安、イライラ、抑うつ、幻覚など、心の症状がメインである。精神科

·        身体の動きがおかしい、ふるえる、傾く、力が入らないなど神経の異常が疑われる。神経内科

·        身体の症状と心の症状が同じくらいあり、どちらがメインか区別がつかない。
いろんな可能性があるので、まずは内科を受診して器質的な疾患を除外する。
あるいは、内科・心療内科・精神科のうちのいずれかにまずは電話で適切かどうか相談する。

·        最近ストレスを強く感じることがあり、それ以降身体の調子が悪くなったが、それ以前は全くそんなことがなかった。心療内科

といったことになります。もちろんこれ以外にもいろんなケースがあります。
また、施設によって独自の事情もあるので、これが全てに当てはまるというわけではありません。実際には選択に迷うことも多々あるでしょう。
そんなときは、無駄足を運ぶ前に、まずは医療機関に電話で問い合わせをしてみることをお勧めします。

安保徹>がん発症のメカニズム、白血球の自律神経支配で明らかに

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Health Net Media 04/2月記事http://www.health-station.com/new40.html

がん発症のメカニズム、白血球の自律神経支配で明らかに
~世界的免疫学者が解き明かす疾病予防・治癒に至る道

211日(水)、科学技術館サイエンスホール(東京都千代田区)でシンポジウム「自然治癒力の時代へ」が開催された。この中で、「免疫革命」の著者としても知られる新潟大学大学院医歯学総合研究科教授の安保徹氏が「自然治癒力はすべて生き方にかかっている」と題して講演を行った。       

副交感神経を優位にして免疫力を高める

人はいかにして、病気になるのか---
「何か遺伝子に異常があってということではなく、あまりに無理な適応を超えた生き方をしたため、破綻をきたし、病気になったのではないか」
冒頭、安保氏は疾病の成り立ちについてそう指摘した。「無理な生き方からくるストレス」が、疾病発症の大きな誘因になっているという。そのため、がんをはじめとするさまざまな疾病に罹患している人々はまず「生き方を見直すべき」と安保氏はいう。それが免疫の仕組みによる疾病予防・治癒に至る道であると説く。

さまざまな疾病の中で、現代医学の粋を結集しても未だ死亡率の上昇が止まらない、がん。がんへの対処について、がんと診断された際に実施すべき4ケ条を安保氏は次のように挙げる。

1)生活パターンを見直す
2)
がんの恐怖から逃れる
3)
消耗する治療は受けない、続けない
4)
副交感神経を優位にして免疫力を高める

この4ケ条は、「がん罹患後」のみならず、免疫学的な観点からの「がん予防」のための心得ともいえる。

このうち3つは、心の領域に関わるものである。「ストレス」を緩和し、副交感神経優位型に心身をコントロールする。そうした、心安らかな状態においては免疫力が高まり、さまざまな疾病を遠ざけ、健康な身体を維持することができるという。
人は生きていくうえで、とかく交感神経優位型になりやすい。しかしながら、「私たちはいろんな組織障害の病気を起こす。そのナゾは実は交感神経緊張状態にあった。その極限にがんがある」と安保氏は指摘する。

安保理論とはいかなるものか---
その前に、我々の身体調節を司る「自律神経」についてよく理解しておく必要がある。
外部から浸入するさまざまな細菌やウイルスを駆逐する白血球が、「自律神経の支配下にある」というのが安保理論の骨格となっているからだ。

交感神経優位で顆粒球、副交感神経優位でリンパ球増やし防衛体制整える

自律神経は交感神経と副交感神経との拮抗により調節されている。1日のうちで、活発に動いたり、興奮したりする昼間は交感神経が優位に働き、ゆったりとリラックスする夕方から夜は副交感神経が優位に働く。季節でいうと、冬は交感神経が、夏が副交感神経が優位に働く。
我々を細菌やウイルスから守る白血球は、こうした「自律神経の支配下」にあると安保氏は説く。以下、概要は次のようなことだ。

白血球は、基本細胞であるマクロファージ、マクロファージから生まれた貪食能の強い顆粒球、免疫を高めるリンパ球の3種類がある。血液中においては、それらが、56035の比率で存在する。

顆粒球はさまざまな分解酵素を持ち、大量の活性酸素で体内に侵入した異物を処理する。また新陳代謝も高める。しかし、顆粒球は増え過ぎると、常在菌をさらに攻撃し、化膿性の炎症を発現させるようになる。顆粒球は短期間で死滅するが、その際に活性酸素を出し、周囲の組織を酸化・破壊させる。

リンパ球は、細菌が浸入した際に、すぐに臨戦体制をとる顆粒球と違い、ふだんは休んでいて、マクロファージからのサイトカインという物質の情報により、抗原の侵入に気づいてはじめて活発な分裂を繰り返し準備態勢を整える。
マクロファージは、リンパ球に指令を与え、後にリンパ球と抗原との戦いの処理を行うという重要な役割を担う。

こうした白血球は自律神経の支配下にあり、交感神経が優位になると顆粒球が増え、副交感神経が優位に働くとリンパ球が増えるというメカニズムで我々の身体を効率良く守る。

白血球の自律神経支配の法則を8年ほど前に発見
生物の進化の過程で、白血球は自律神経の支配下に入り、顆粒球が交感神経に、リンパ球が副交感神経にと、それぞれの役割を分担し、防御効率をより高めるようになっていった。このことを安保氏らは8年ほど前に発見する。

「顆粒球は交感神経支配に入りましたが、私達生物が興奮するのはどういう時か。仕事、スポーツ、悩むとか、いろんなことがありますが、基本的に野生生物が興奮するのは、空腹が続いてエサを取るという行動を起こす時です。この野生の感覚は私達人間にもまだ残っていて、生きていくうえですごく大切ですが、エサ取りの行動を起こす時というのは生物の手足が傷付いて細菌が侵入してきます。そのため化膿性の炎症を起こして治癒するという細菌処理に優れた顆粒球を増やしておく必要があったわけです」

顆粒球は防衛機能の6割を占め、細菌の侵入を炎症という形で処理する。こうした防衛系においては、リンパ球による免疫機能は介在していない。

リンパ球はというと、「私達は今でも小腸の周りを中心に厚いリンパ球の層でおおわれています。免疫は基本的には、食べ物と一緒に入ってくる小さな異物、ウイルスとか花粉、ダニの死骸、ほこりとかを効率よく処理するために消化管とともに働きます。消化管は副交感神経支配ですから、リンパ球も消化管とともに副交感神経の支配下に入りました」

顆粒球とリンパ球のアンバランスは特有の疾病招く

ところで、こうした顆粒球とリンパ球の防衛機能は6035というバランスを保っている間はいいが、どちらかが過剰になると特有の疾病を誘発するようになる。
イライラや悩みといった精神不安を抱え、交感神経の緊張状態が続くと、顆粒球の増加を招く。

「顆粒球は骨髄で作られ、血中に出て常在菌の存在する粘膜で一生を終えますが、これが多くなると顆粒球の放出する活性酸素で粘膜が破壊される病気になります。具体的には、歯槽膿漏とか痔とか胃潰瘍とか潰瘍性大腸炎で、顆粒球の炎症です。胃がやられる時も悩みを抱えた時です」

一方、副交感神経が過剰に優位になるとどうなるか。「リンパ球過剰の病気になります。典型的なのはアレルギー疾患です。今、日本の子供達はアトピー性皮膚炎とか気管支喘息とか通年性鼻アレルギーになる子供が増えています。楽をして大事に育てられた子供達はリンパ球が過剰になっていて、ちょっとした常在する抗原に反応してアレルギーを発症してしまいます」

交感神経優位では顆粒球が増え、副交感神経優位ではリンパ球が増える。どちらもそれぞれ特有の疾患を誘発する。

「健康な人は顆粒球とリンパ球が6:4くらいの比率です。もっと正確にいうと私達のリンパ球の正常値は3541%です。この範囲に入っていると健康で、免疫力十分な世界です。ですが、リンパ球が35%を割ると顔色がすぐれない、30%を割ると早期のがんとか組織障害の病気に入ります。20%近くになると進行がんの世界に入ります。逆にリンパ球が45%を超えるとじんましんが出るとか、身体がかゆいとか過敏反応が出てきます。40%を超えると確実にアレルギーの世界に入ります」

顆粒球とリンパ球の防衛機能は絶妙なメカニズムで成立しているが、ヒトはこうした自らを癒すプログラムを進化の過程で獲得した。顆粒球とリンパ球による修復機能は、いわゆる「自然治癒力」と呼ぶに値するものであろう。

しかしながら、こうしたヒトが本来備えている「自然治癒力」を抑制させるようなことが現代医療の世界でおきている。
一体、どのようなことか---

不快な反応は治癒へ至る道、無理に抑え込まない

現代人は熱や痛み、かゆみ、下痢とさまざまな不快な症状が出ると、どうしても薬に頼ることになる。誰しも、早くそうした症状から逃れたい。患者の苦痛を一刻も早く取り除きたいとの思いから薬剤が研究・開発されてきた。しかしながら、免疫学的な観点からいうと、決して好ましい対処法ではないという。不快な症状の発現は副交感神経の修復に向かう反射で、免疫機能の発動であり、治癒に至る道であると安保氏はいう。

悩みや苦しみといった日々のストレスが続き、交感神経の緊張状態が続くと、顆粒球が過剰に増え、さまざまな病気を呼び込むようになる。「顆粒球増多による病気は、病気のほとんどを占めるほどありふれた病気です。歯槽膿漏、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、膵炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、痔、こうした病気が無理したり、苦悩したりして起こります。

私達は正常な健康な組織が無理して壊された時に、必ずエネルギー代謝を高めて修復しようとします。その修復反射が実は副交感神経反射でした。治るための反射です。こういう副交感神経反射を目一杯使って血流を増やし、代謝を上げて組織を修復します。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

痛みを作る。熱を持つ。血流を回復する。下痢をする。こういう反応はプロスタグランディンの作用が中心です。プロスタグランディンは発熱物質であり、痛み物質であり、炎症物質ですから、私達にとっては不快です。ですが、組織を修復するためにこの過程は必要なのです。

例えば私達は霜焼けになっても治る前に腫れ上がって治ります。太陽に当たりすぎても、火傷をしても腫れあがって治ります。組織が破壊された時は、必ずこうした修復過程を経て治ります。こういう概念がないと、熱が出たり、痛んだりすると大変ということで、止めにかかります。そして消炎鎮痛剤とかステロイドを使います。こうしたものはみな血流を止めます。血流を止め、組織反応を起こせなくすると、炎症反応は止まります。ですがこれは治ることと逆行することです。不快な反応は治癒反応であるということを私達は理解すべきです」

事故による負傷や急性疾患、あるいは感染症といった緊急の対応に薬剤が有効性を発揮することは誰もが認めるところではある。近年抗生物質が感染症に果たした役割は大きく、国民の健康管理にどれほど貢献してきたか計り知れない。しかしながら、一方で、対処療法的に薬を長期使用することで、逆に疾病を慢性・難治化している状況も生じている。

がんはいかに発症するのか

では、がんはどのようなメカニズムで発症するのか----
交感神経優位で顆粒球が増え、副交感神経優位でリンパ球が増える。どちらかが過剰に増えると、それぞれ特有の疾患を誘発する。疾病のほとんどが、交感神経優位の顆粒球過剰から引き起こされる。がんも例外ではない。

「早期胃がんも進行胃がんも進行大腸がんも激しい顆粒球増多によるものです。がんと診断される12年前何か大変じゃなかったですかと聞くと、みんな激しいストレスを抱えています。嫌々つらい仕事を長時間やる、それから悩み、また消炎鎮痛剤を長期に飲むというようなことが関わっています」

がん発症の背景には、免疫力を徹底して抑えるようなストレスがあり、交感神経の緊張状態が続き、顆粒球が過剰になるような状況があるという。
身体の中でがんが発生しやすいのは、細胞の再生・分裂が頻繁に行われる場所で、顆粒球の放出する活性酸素により増殖遺伝子が損傷し、発がんへと向かうという。

「がん遺伝子がはじめからあるわけではなく、正常な細胞が増殖に使っている増殖関連遺伝子が調節障害を起こしたのががん遺伝子」という。

毎日100万個のがん細胞が生まれているが、とりわけ生命力が強いというわけではなく、リンパ球で抑えられているという。
がん患者のほとんどはリンパ球が30%以下の免疫抑制状態にあり、リンパ球が30%を超えるとがんの自然退縮がはじまると安保氏はいう。

がんにどのように対処すればいいのか

具体的にがんにどう対処すればいいのか。
がんと診断された場合、前述の4ケ条を実行することを安保氏は薦める。これは、「がん予防」のための4ケ条でもある。
「がんとわかったらまず生き方自体を変える。これをやらないで内視鏡で早期胃がんが取れたとか部分切除でがんが取れたとかといってもまた今までと同じような生き方をしては再発します」

また、がんへの恐怖心がリンパ球を下げ、免疫力を低下させるという。
2番目は、がんの恐怖から逃れることです。抗がん剤や放射線を使うと患者さんはすごく消耗します。がんの恐怖感から発がんしたときよりももっとリンパ球が減るということが私達の研究でわかっています。いくら発がんするといっても25%くらいのリンパ球の比率は保って発がんしています。脅かされて絶望になった人はリンパ球の割合が20%割ります。これはがんが暴れ出す極限までいっているということです」

また、抗がん剤治療の問題点も指摘している。
3番目は消耗する治療は受けないことです。あるいは延々と続けないことです。食べることができるとか歩けるとかそういう基本的な体力がないことにはがんには勝てません」

さらに、免疫力を司る副交感神経を優位に保つ生活習慣を身につけることが大切という。
4番目は積極的に副交感神経を優位にして免疫力を高めることです。私達の免疫系というのは副交感神経支配で循環器系や消化器系とつながっています。ですから、血行がいい、便秘がない、腐敗臭がないという状態にもっていかなければいけない」
軽い運動や笑うこと、また入浴は副交感神経を刺激し、免疫強化に役立つという。

真の治癒を得るために生じる反応

こうした4ケ条を実践していく途上で、がんの自然退縮がはじまるというが、留意すべきことがある。
副交感神経が優位になると、プロスタグランジン、アセチルコリン、ヒスタミン、セロトニンといった発熱や痛みに関連する物質が放出されるようになるため、1週間ほど熱や痛み症状(傍腫瘍症候群)が生じ、その後、リンパ球が増え、がんが退縮をおこすようになるという。こうした段階で熱や痛みの不快症状を鎮痛剤や消炎剤、解熱剤、ステロイド剤などで抑えようとすると、治癒反応を止めることになり、真の治癒から遠ざかるという。

4ケ条を実践していくと、次第にリンパ球が上がっていき、22%だった人が、28%とか30%に近づくと患者さんの半分近くが微熱が出たり、高熱が出たりし始めます。この現象は昔から知られていて傍腫瘍症候群といいます。これは免疫抑制から逃れ、発熱してリンパ球の上昇が起こる反応です。あまり抗がん剤とか放射線をやっていると、リンパ球が上がらなくなります。こうした反応については今の現代医学には出てきませんが、昭和40年代頃はこうした発熱現象でがんは自然退縮するという論文がたくさん出ていました」

この傍腫瘍症候群については、現代医療の世界では、50年ほど前から抗がん剤の使用とともにいわれなくなったという。抗がん剤の使用により免疫が抑え込まれ、傍腫瘍症候群も出なくなってしまったためだ。

「抗がん剤と一緒に治験をやると、抗がん剤の免疫抑制に負けてしまい、中々リンパ球が上がってきません。しかし、リンパ球を減らす治療をしないでやれば今でも発熱して、傍腫瘍症候群が出ます」

薬剤偏重の現代医学の中で、精神領域がもたらす免疫作用は非科学的と放逐され、埋没していったのか。
安保氏は言う。「自分の持てる免疫の力でも十分傍腫瘍症候群が起きるわけですから、やはり4ケ条を実践して自分の力で発熱を起こすくらいの気持ちが大切です。風邪を引いてもウイルスと戦うためにリンパ球が増え、必ず発熱を伴います。発熱は副交感神経の極限で起こりますから、必ずだるくなり、横になりたいという体調になります。こういう現象を理解して風邪でも解熱剤は使わない。がんでリンパ球が増えて発熱したなら、解熱剤は使わないでがんを自然退縮に持っていくべきだと思う」

ヒトの持つ深遠な自然治癒プログラム

「ストレス」を緩和し、副交感神経優位型に心身をコントロールする。心の平穏な状態はリンパ球が活発化し、免疫力が発動し、さまざまな疾病が治癒へと向かう。
プラセボ(偽薬)による暗示にしろ、宗教にしろ、心をポジティブにすることで、身体機能にプラス効果がもたらされ、実際に疾病が癒されるといった症例はこれまでも多く報告されている。
そうした深遠な自然治癒プログラムが人間の身体に内在しているにもかかわらず、その発動を抑えていたのは、精神領域の作用を軽視した、現代西洋医学の処方に他ならなかったというのは言い過ぎであろうか。

精神領域からのアプローチを重視する、いわゆる代替医療と称されるさまざまな療法は、総じて副交感神経を優位にし、リンパ球の活性化を促し、自己治癒力を発動させるものではなかったか。
代替医療で、患者が快方に向かう症例がどれほど報告されようとも、治癒に至るエビデンス(根拠)が希薄である、未解明な領域であるとされ、正当派西洋医療からとかく一蹴されてきた。
なぜそうしたものが、疾病を快方へと向かわせるか、安保理論は免疫学的なアプローチから明確に解き明かしている。


安保 徹(あぼ とおる)
<略歴>
昭和22109日生まれ。東北大学医学部卒。昭和47年に青森県立中央病院に内科研修、昭和49年に東北大学歯学部微生物学の助手となる。昭和54年に米国アラバマ大学に5年間留学。平成3年、新潟大学医学部の教授となる。現在、新潟大学大学院 免疫学・医動物学分野 教授。
<業績>
1980
年:ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体(Leu7)の作製
1990
年:胸腺外分化T細胞の発見
1996
年:白血球の自律神経支配の発見
2000
年:マラリア感染の防御は胸腺外分化丁細胞によって行われる

安保 徹 >身体をいためつける薬・治療から脱却する時期にきている

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JAFRA<日本食品機能研究会> ヘルシーインタビュー記事 (http://www.jafra.gr.jp/abo.html)
 
身体をいためつける薬・治療から脱却する時期にきている"
新潟大学大学院医歯学総合研究科 教授  安保 徹 氏


我が国で依然死亡原因のトップを走り続けるがん。現代医療を駆使しても死亡率の上昇が止まらない。新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授は、無理な生活でストレスをかけることが最も悪いと説く。免疫を高め、がんを予防するため心得

を安保氏に伺った。
 
---免疫研究に入られたきっかけについて

安保:大学を卒業して、肺がんやリウマチ専門の内科の研修をしましたがそこで中々病気が治せないことがわかりました。医者であれば病気を治せるものと思っていましたが、肺がんやリウマチも全然治せないことに失望しました。

その頃、30年ほど前ですが、免疫研究の勃興期で、免疫はがんやリウマチとも関係あるということが予想できましたので、免疫研究に入りました。

---病気を治すのも本人次第と先生はおっしゃっていますね。免疫学からみた治癒のメカニズムについては
がんになる人は交感神経の緊張状態が続くような無理な生活をしている

安保:長い間、がんとか膠原病の成り立ちは原因不明といわれてきました。原因不明ですから根本的な治療はできません。がんでしたら取るとか小さくするとか、膠原病でしたら症状を抑えるという発想でした。
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年前に白血球の自律神経支配ががんに関わっていることが判って、がんになる人は無理がたたっていること、ストレスが発症の原因となることなどがわかってきました。

無理な生き方というのは、交感神経の緊張が続いているような状態で、活性酸素による組織破壊などもおきます。ですから、がんはこれまでのように原因不明ということで、対処療法をする世界ではなくなってきました。つまり、生き方を見直すことが大切であるということがわかってきて、がんやリウマチのような病気にも積極的に対応できるようになりました。

がんは自然退縮する病気

安保:がんは治る病気であるというのは、昭和40年頃に既に論文がありました。一人は九州大学に心療内科を作った池見酉次郎先生です。また、金沢大学がんセンターの所長の岡本肇教授は、がんの人は熱を出すような病気になると、がんが自然退縮する、がんは自然退縮を頻繁にする病気であるともおっしゃっていました。また、がんはリンパ球の減少する病気だと提唱する先生もいました。

昭和40年代にいろいろな抗がん剤が外国から輸入され、日本でも使われるようになった時、抗がん剤に対する期待が大変強くなって、がんは自然に治るとか、熱で治るとかという消極的な治療法には誰も関心を向けようとしませんでした。

新たな抗がん剤の登場で、医薬品を使うことに医師たちの関心向かう

安保:ちょうど、日本も高度経済成長期に入り、科学に対する信頼が大変高くなって、次々に新しい抗がん剤も出て、積極的にがんに立ち向かっていこうという姿勢でしたから、自然治癒のような消極的な考え方に同調する人がいなくなっていったんですね。それから3040年、ありとあらゆる抗がん剤をひととおり試してみましたが、がんの死亡率はというと、ゆっくりではなく、段々に上がっているという状況です。

結局、今の治療法では、治療すればするほどがん患者は死んでいくということです。本来、いい治療法であれば、がんの死亡率もゆるやかになるでしょう。ところが、実際に治療を受けた人達はすぐに弱ってしまいます。薬が体を痛めつけているわけです。身体をいためつける薬・治療からそろそろ脱却しなければいけない時期にきています。

---免疫学的にみて現在のがん治療の弱点は
薬や放射線で身体を痛めつけて治ると思うほうがおかしい

安保:抗がん剤や放射線はすごく免疫系を抑制します。身体を衰弱させ、戦う力を削ぎ、リンパ球が激減します。多少がんは小さくなるということもありますが、いい結果は出ません。今のがん治療は、治せる目標があってやっているわけではありません。ですから、早く患者さんが目を覚ますことが必要です。薬や放射線で身体を痛めつけて治る病気があると思うほうがおかしいのです。

---がんにならないためには、日頃からどのようなことに心がけていればいいでしょうか
安保:私は、1)生活パターンを見直す、2)がんへの恐怖から逃れる、3)免疫を抑制するような治療は受けない、あるいは、受けている場合はやめる、4)積極的に副交感神経を刺激する、という4ケ条を薦めています。この4ケ条を実践するとリンパ球の数や比率が上がります。そうすれが、がんは自然退縮を起こします。
---先生のご本の中で、がんにならないための6項目の最後に「がん検診を受けない」というのがありますが
「がんの疑い」という診断からくるストレスで発がんするケースも
安保:2つ理由があります。一つはがん検診は広くひっかけて精密検査をしますから、関係ない人まで大変なストレスになります。たとえば、一人の胃がん患者を見つけるためにだいたい2030人ひっかけます。ですが、ひっかかった人達はたまったものではありません。がんの疑いということで精密検査をしなければいけません。これは、がんになったと同じくらいの大変なストレスがかかります。それで発がんする人もいるくらいです。おそらく、10人に1人は発がんするのではないかと思います。

検診グループのほうが、発がん率が高いという論文もたくさんあります。アメリカでも日本でも検診グループのほうが発がん率が高いというのがだいたい一致するところです。がんでもないのに検診で大変なストレスに合い、そこから発がんする人もいるというわけです。

 
 
早期発見・治療といっても、治療法が間違っていれば危険

安保:もう一つは、そもそもがんというのは、無理な生活習慣から発症しますが、楽な環境にいると自然に消えていくということを繰り返しています。それを早期発見・治療が必要だからといって無理やり見つけて、抗ガン剤や放射線で本格的な治療を始めようとします。ですが、それで100%治るという保証はありません。これは放っておくよりも危険です。早期発見・治療といっても、治療法が間違っていれば、大変危険です。

がんの死亡というのは、ここ数年増えています。いい治療をすれば段々停滞してくるはずです。結局、早期発見・治療が逆効果になっているということがいえます。

---機能性食品の役割については
病気の本当の原因は、無理をし、苦悩することにある

安保:食事やサプリメントといった口にいれるものに注意している人達はたくさんいて、それはそれですごくいいのですが、もうひとつその上に必要なのは、やはり、無理をしないということです。

この無理をしないということを後において考えています。お医者さんは薬を出します。一般の人は食事に気をつけます。ですが、どちらも、無理して無理して、悩んで悩んで苦悩するということの怖さを第一においていません。そこが問題なのです。

実際病気になっている人達というのは、食べ物で病気になっているというよりは、無理な生活で病気になっているのです。ですから、そちらのほうに気をつけたほうがいいのです。比重の置き方を考えるべきです。

まず、無理な生活を見直し、それから機能性食品を利用すると良い

安保:発がんした人に身体にいい機能性食品を与えるのはいいです。つらいことや悩みがあると、消化機能も循環器機能も免疫も低下します。ですからまず生活を見直し、それから機能性食品を積極的に摂って滞っている生体機能を高めるという順序にして欲しいです。病気になる人達というのは機能性食品を摂らなかったからというより、無理な生活がたたって病気になっているということを自覚すべきです。

そういうことに気が付いた人が薬に頼らないで、機能性食品を摂るというのでしたらいいのですが、まず機能性食品ありきというのでは、病気の発症の原因を理解していないような気がします。

完全食を摂ることが大切

安保:精白米や肉は大変美味しいですが、精白米は糠(ヌカ)が抜け落ちていますし、肉は動物の筋肉だけで、不完全です。ですからなるべく、穀物でしたら糠も入った丸ごと摂ることです。

また、小魚とか発酵食品とかはひとつの生物個体ですから、完全食で過不足がありません。発酵食品はそれ自体、微生物物質の生命体ですから、そこから作られるビタミンとか利用して体の免疫や消化器系・循環器系を高めていくといいです。
現在の栄養学ですと、130品目食べなさいと言っていますが、ほとんど不可能な話です。ですから、なるべく完全体を摂ることです。

---代替医療についてはどのようにお考えですか
お医者さん達が身体に悪いもので病気を治すには限界があるということに早く気がついて欲しい

安保:もう少し広まって欲しいと思います。お医者さん達がいろいろな身体にいいものを取り入れて、抗がん剤とか身体に悪いもので病気を治すには限界があるということに早く気がついて欲しいのです。

遺伝子の研究がずいぶん進んできて、遺伝子診断とか電子治療とか、そういった方向へ向かっているようですが、私達は遺伝子に異常があって生まれてきて病気になっているわけではありません。無理をすることで、適応範囲を超え、病気になっているわけです。遺伝子異常ということであれば遺伝子を変える必要がありますが、今はまだ遺伝子を変えるほどの力はありません。ですから、対処療法ということになりますが、発熱や下痢、痛みや腫れといったものは治るためのステップであると私はみています。

相補・代替医療がなぜいいのか科学的な結論はまだ出ていないように思います。それがサイエンスとして確立するためには白血球の自律神経支配とか、免疫系と循環器系や消化器系とのつながりとかを明らかにすることが必要です。

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